カガクシャ絵日記

大学の研究室で働くってこんな感じ?

日本人と英語8:留学と英語(前編)

学校からお金をもらって一年間行った留学の目的は2つあった。まあもちろんアメリカの大学に行ってみたいということと、もう一つはそこで生物化学をある程度勉強したかった。

僕が行ってた大学は3年生なると研究室に入れられ授業の合間にそこに行って研究みたいなことを見る、それで4年になると授業はなくって朝から晩まで研究室で卒論研究をするカリキュラムになっていた。僕は3年になった時にちょっと弱気で書いた第二次希望の研究室に決まった。これは分析無機化学みたいなところで興味のあった生物化学とまるっきり違っていた。だから3年の時は馴染めないのとふてくされてたのでほとんど研究室に行かなかった。

それで思った。留学して生物化学を勉強して帰ってきたら研究室を変えてもらおうと。誰もそうしてくれるとは言わなかったけど昔からの癖でかってにそう思い込んで留学に出かけた。

留学先の大学は今はもうあんまり見かけない一年に4学期ある制度で3月の終わりから春学期だったから日本の新年度とちょっとあってた。もちろんアメリカの学校は秋から始まるので通年のコースなどは最終学期になっていた。僕たちは特別4年生という変わった待遇になっていたので割合に途中からでもクラスを取ることができた。

大学に着いてまずはオリエンテーションがあってその中に留学生用の英語のテストがあった。僕は理系の学部生のカテゴリーで英語のテストはパスした。これに引っかかると学内にある英語学校に行かなければならないので時間が無駄になる。

1年間で履修したのは4年生と大学院生に配当されている生物科学ⅠとⅢ、それから生物化学実験ⅠとⅡ。生物化学Ⅱはインフルエンザになってしまい残念ながら履修を2週目で諦めた。有機化学の講義は一年で3クラスあるうちのⅠとⅡを取った。有機化学は実験もひとつとった。有機化学は2つコースがあってどちらも1年3クラスで一通りやるんだけど化学専攻者用と専攻者じゃない人向けがあって僕はズルして楽な方を取った。というのは化学専攻者用のコースはかなり難しいと聞いてたから。体育はラケットボールと空手を取った。大学の成績は4が一番よくって0.5ずつ区切ってある。頑張ったおかげで留学中の成績はいくつだったかは覚えてないけど平均で3.5に満たなかったものの3よりは上だった。

さて英語の話。何はともかく春の生物化学Ⅲの講義はすごかった。講義のは朝8時に始まるし週に4回位あった。それでクラスの半分ぐらいが理科系の大学院生だった。講義は全然わからなかった。ノートは全然取れないし、教科書を読む課題だって到底読めるページ数じゃなかった。なんだかわからにうちに三週間もするともう中間試験があった。もちろん毎回授業の前にクイズなるものがあったりしてあっという間に何をやっていいのかわからない状態になった。中間試験は4段階で2の成績だった。2.5が平均だから焦った。

今からだいぶ昔の話だからそう思って読んで貰えばいい。授業は学校の方で録音してあり図書館に行くとそのカセットテープを借りてカセットデッキが20ぐらい置いてある部屋に行って聞くことができた。ノートが取れないから最初から行けばいいんだけどやっぱりそんなことするのがおっかない。それでも試験の結果を見てからはおっかないなんて言ってられなくなった。意を決して実験のない午後や週末はほとんどそこに行ってテープを何回も巻き戻してはノートを取っていた。

 

50分の授業で普通の学生ならが講義を聞いて理解しながらノートをとる。わからないところは手を上げて質問したりする。僕はただそこにいるだけ。講義はハンドアウトというものがあって多少大事なことや図が書いてある。でも授業中にそこに書き込むのはほとんどできなかった。

そこで図書館に行ってテープを借りて聞く。50分の授業を聞くのに3時間かかった。それをまた1時間ぐらいかかって見直して意味のあるものにする。普通の学生が50分でできることが5時間かかった。年がら年中勉強してた。しょっちゅう昼飯食う時間がなくってアイスクリームで昼めしの代わりなんてしょっちゅうあった。

寮のルームメイトのお母さんからあんたみたいに一生懸命いつも勉強するのがうちの子のルームメイトで良い影響になると喜ばれたほどだった。

実験の方もすごかった。こっちの講義はちょっと楽だった。足を机の上に上げて講義を聴くことを習った。実験パートナーがいて真面目な学生だった。分厚いメガネをかけたひょろひょろした黒人の女の子で勉強がすごくできた。遠心機を待ってる時に鼻歌歌いながら指を鳴らしてリズムをとって楽しそうに体を振ってるのを見てアメリカだなーと思った。宿題なんかも一緒にやったっけどわからないところを一緒に考えたり教えあったりした。日本の大学じゃできるやつはできない振りしてできないやつはやたらおだててなんか聞き出そうとするそんな感じとは大違いだった。

実験そのものはそれなりにできた。でも実験レポートがあった。しかも使ったこともないコンピューターを使ってタイプして出さなきゃいけなかった。これはしんどかった。実はスペルチェックの機能があるなんてことも知らなかったからミススペルのものすごいレポートを出した。その時に教授が鉛筆で全部スペルを直してくれて書いた内容だけで評価してくれた。日本の学校は手書きのレポートで内容なんか全然見てないで「字が汚い」とか言う評価がついてた。レポートの視点はちゃんとしてたのにて丁寧にトンチンカンなこと書いた友達の方が評価されていた。だからとても嬉しかった。こんな学校で勉強がしたい、大学院に行きたいと本気で思った。

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