カガクシャ絵日記

SURVIVAL AIN'T MY LIFESTYLE. (死なないように生きてます)

就活・転職のはなし

こないだちょっと就活したとか言って履歴書の話を書いたけど、実は11月1日から新しい仕事を始めたのね。

前の仕事というのがゲノム編集の方法を使って寄生虫の遺伝子を潰していくっていうのだったんだけど、その仕事をかなり進めた割には見返りが少なすぎたし。2年間の契約が10月で切れても「1年伸ばしてもいいか」とかもったいぶったこと言われたんでこれはまずいと思った。

実は去年の今頃は来年あたり昇級させてやるとか言ったんだよ。でも全然そんなふうにならなかったし、どうみても研究室内の白人だけはいい目観てそれ以外はいじめられるか無視されるかのどっちかで、こりゃ人間的についていけないっていうのもあった。

まあ無視されてたから勝手に仕事が進められてやりやすかったんだけど、ある日モンスターというリクルート会社からEメールでこんな仕事がありますよーってのがきた。8月だったと思う。見るとできそうな仕事だったけどその頃はまだあんまり気にしなかった。でも2週間ぐらいしてからまたおんなじメールが来てその頃からアンジェラがかなりいじめられてて本当にこの研究室はいたらキチガイ病院になるんじゃないかと本気で思い出した。

その頃いたイジーも、「トラビス、ここの研究室は出ないと危ないよ。」と言い出すほど環境が悪くなってた。

それで、レイバーデーの3連休に前に書いたように2日半かかってそのモンスターに載ってた仕事に応募した。それはおんなじ大学の一つ上のレベルの仕事でしかも自分の得意な微生物分子遺伝学の応用とゲノム編集の知識がある人向けだった。これは俺のことを言ってんのか?と思わせる募集要項。しかもアメリカ国籍だけとなってた。はっきり言ってこれだけで競争率は半減する。

できた履歴書も今までにないかなり攻撃的なものだったしカバーレターもうまくかけた。内心自身があった。

連休明けの火曜日に午前中ちょっと仕事サボって大学のウェブサイトを通して履歴書とカバーレターを送った。

例のゲノム編集は実は3年前に一年間そっちの方の研究では結構知られた教授の下でやって今年になって論文が出てたし過去2年間はゲノム編集の方法を利用してたから本当はそうでなくってもかなりのゲノム編集エキスパートとして自分を売った。カバーレターには今年出た論文のリンクも付けた。

 

そしてその週の金曜日の夕方電話があって面接したいということになった。その前にどうも論文をやった教授と話してそっちからも推薦してくれたようで、普通Ph.D.レベルだと面接の前に自分の研究をまとめたセミナーするんだけどそれもいらないということになった。

それで話してるときに口を滑らせてバクテリアでゲノム編集はできにくいんじゃないのとか言ったらそれじゃできるかできないか調べて月曜か火曜日に電話してくれとか言われた。ああ失敗したと思ったけどすぐ例の教授のところに行って(実は同じ階にオフィスがある)これこれこうでこうなったんだけどバクテリアでゲノム編集なんかやってんの?って聞いたらまあ最近は論文も出てないわけでもないよ。ともかく調べてみたら。

ということで慌てて調べて論文をプリントして週末に6報ぐらい読んだ。まあまあ大対こうだろうということはわかって月曜日に電話した。その月曜日というのが例のイルマという台風が来た日で電気がとぎれとぎれになる中電話してそれじゃ木曜日に面接来てくれということになった。

なんか面接と言っても実は顔つなぎみたいなことにすでになってた。今日は君がどんな人かみたいとか言ってた。向こうは教授2人,広報担当みたいな人と共同研究になる会社の事実上社長の人。

なんか二時間ぐらい会議室であれこれ話した。結構本気で話した。その会社側の人というのが本当にいい人だった。やっぱりPh.D.なんだけどビジネスの方もしっかりやってて、それでも気の配り方が細かくて丁寧で優しい。それで他の3人も頭がすごく切れるのにそれで威張ったとこがない。だから最後にこっちもみんなと話してて気分が良かったと言って会議室を出た。

それで次の日半日かかってサンキューレターという、面接してくれてありがとうございますとかもうひと押ししたりする手紙をEメールで4人に書いた。

送って間もなく30分もしないうちに電話がかかってきていわゆる内定がでた。夕方会社の人からも「君と一緒に仕事をして家族と社会のためにやっていこう」みたいなアメリカ人としては珍しい丁寧いなEメールが来た。これも夕食後に色々考えて返事を書いた。

まあ前の仕事の方はその後一生懸命まとめようとして頑張って一通りのことはやった。実験はちょっと残ってるかもしれないけどあとは潰した遺伝子を共同研究者がマススペクトロメトリーという変な機械で分析して論文が書けるデータは揃うと思う。まあ前のボスが書くんだろうけど。こっちはこっちで自分のデータ整理と書けるところは全部書いた。実際今週末から4日ある学会で前のボスは演壇発表で僕達が2年間やったプロジェクトの結果を発表する。2年間やった仕事で論文一報と研究費を請求するグラント一つと半分、そして研究室に僕が作り上げたゲノム編集の手法が残った。まあいい仕事したと思う。

 

確かに論文は書き終わるのが最後じゃなくって審査に通ってジャーナルに載るのが決まって最後だからそこまで行かない限りは取らぬ狸の皮算用ってやつだけどね。グラントもおんなじ。だから本当に最終的に僕のやった仕事が評価されるのはがのは来年の終わり頃でしょう。

新しい仕事すごいです。

例の4人のうち広報関係の人をのぞいたチームに入った。僕には研究室を一つ作ってくれてみんなとおんなじレベルで扱ってくれてる。個人的にもかなり大きなチャンスが目の前にある。チームもみんなこのプロジェクトのインパクトの大きさに全員が夢を託してるというのがよく分かる。チーム作りに力を入れてるのがよく分かる。電話連絡もしょっちゅうある。必要なものがあったらなんでもすぐ買えばいいし家で仕事したかったらそれでもいいし、なんでもいいからプロジェクトが先に進むことなら何でもやってくれっていつも言われる。

その代わりチームで話してることは絶対秘密だから人に話しちゃいけませんよとなってる。というわけでこれから仕事のことはかけなくなったのでブログのタイトルも変えないと。

 

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