カガクシャ絵日記

SURVIVAL AIN'T MY LIFESTYLE. (死なないように生きてます)

日本人と英語14:skype英会話の先生の経験1

2014年の春ごろから2年ぐらい喫茶店みたいな名前のインターネットを使った通信教育で金儲けしてる会社の英会話の先生みたいなことをしてた経験を中心に英語産業の裏から見た感想を書こうと思う。

25年以上アメリカに暮らして学位もあるしそれなり普通にアメリカ人として過ごしているからということで先生にしてくれた。その会社は日本人がつくった会社で経営についてもいろいろ文句はあったけどそれはここでは触れないで自分が感じた日本で勉強している人と僕との考え方の違いについてかく。それからそこで出会った面白い人について後で書こう。

2年間で延べ60人以上200以上のセッションをした。数は少ないと思う。でもそれなりになんかを言えるべき数にはなってるんじゃないかと思う。

 

僕はもともと英語の先生じゃなかったから、自分の今までの経験をもとにどうやったら通じる英語ができるようになるかに重点を置いてた。それは僕自身が日本語と英語の考え方の違いを把握して、しかもどうしないと通じないかという事を身をもって体験してきているからそこは強いと思っていた。

始めてみると結局僕のセッションをとったレベルの人たちはいわゆる英検1級を持ってるとか受験を狙ってるみたいな人たちだった。そしてそのレベルの人たちの英語は通じにくかった。英語の文としては正しいかもしれないけで文と文をつなげればつなげるほど何を言いたいのかわからなくなる。作文みたいなものになるとほとんど訳がわからない。

実はわかるんだけど、というのは自分が日本語の目を持ってかかれた英語を読めばわかる。でも英語しかわからない自分という仮定では正しい英語が書いてあるのはわかるんだけど何を言いたいのかがわからない。

つまり書かれている英語が日本語をただ英語に置換しただけに過ぎなくって英語を話す人たちの考え方じゃない。わかりやすい例だと、日本にいる「外人タレント」とかが面白いのは日本語がそれなりに話せるのにああいう人が言ってることはまるっきり日本人の視点でものを見てない。だからそのギャップが面白くてTVに出れる。

 

これは説明しても全然わかってもらえなかった。しまいには「私は英検1級なんだから!」みたいな風になったりして。

中には僕の言ってることがわかってついてきてくれる人もいた。一人あんまり英語はできないんだけどスジが通る話し方ができる人がいた。その頃はトピックを選んでその発表をしてもらってそれについて細かく僕が質問するという勉強法をやっていたけどちゃんと説明できる話し方をしていた。英語の単語数とかじゃなくって「考え方」ができている人だった。ああいう人は喋れば全部通じる。

 

反対に通じないのは英語が得意な人が多いと思った。何を言いたいのかさておいて英語が一人歩きしてる。あれ?と思って振り返ってみても足跡はあっても行きたい方向がはっきりしないで綺麗な正しい足跡ばっかりが残ってる。

 

日本語の考え方と英語の考え方は全然違うという事をあんまり知ってる人が少なすぎる。そこを日本にいる人たちにわかってもらおうとしたけど失敗に終わった。僕が間違ってるとは全然思わないけど日本にいる英語教育者と英語を自分のものにしたいと思う人たちを食い物にしている英語産業の既に犯した罪には到底かなわなかった。一人でいくら言っても誰も聞いてくれない。

 

日本語と英語の違いを教えてあげよう。

日本人はまずはクローンだ。自分もその一人だけど。日本人は全員が同じ感情と同じ考え方を持っていることが正しいという社会だ。だから俳句とか言ってほんのちょっとの言葉を使っても俳句を書いた人みたものが見えて感じたことが感じられる。同じ感じ方を持っているから。普段の会話で求めていることはいつも同意。だからアメリカ人が日本人の真似をする時「はいはいそうそう」とやる。これも結局自分と考えが同じことを前提として相手に同意を促す会話をするのが普通とされてる。「どうして?」とか、「違うんじゃない?」とか絶対にいってはいけないと教わる。

ところが英語、特にアメリカ、は会話などはほとんどの場合相手が自分と全然違う考え方を持つという前提でコミュニケーションをする。だからなんでもいちいち詳しく丁寧に説明する。相手がわかるまで。反対されたら反対の意見を聞いてそれに対する説明を一つ一つする。そうやってお互い理解しあうことがコミュニケーションの目的という考え方がある。

「日本=みんな同じ」に対して「英語(アメリカ)=みんな違う」というふうになる。

じゃそのためにはどういう訓練をするか?というのを僕はその頃やっていた。

一番簡単で難しいのは何か言ったことに対して根掘り葉掘りの質問に答える、答えられるようなことを言う。こういうことができれば英検が2級でも英検が1級の人より実は通じる。そこをわかってほしかったけどわかってくれていた人は多分2人ぐらいしかいなかったと思う。

でも一番の敵は日本にある資格試験だった。日本で英語の勉強をしている人たちは通じなくっても資格試験で点が取れればいい。資格試験に受かれば英語が通じるようになるという考え。というか点が取れなければ英語の勉強をする意味がないという事実があまりにも大きなハードルとなって僕はギブアップした。そして思った。日本でいくら勉強しても日本の英語産業に食い物にされるだけだしそれに関しては太平洋戦争の後全然進歩してないなって。

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