カガクシャ絵日記

SURVIVAL AIN'T MY LIFESTYLE. (死なないように生きてます)

木曜日:花の係長

とかいう感じの4コマ漫画が昔夕刊に載ってたようなきがするけど、まさに9月は係長の苦しい月になった。研究室の場所の取り合いで、実質「俺の研究室」になるはずが教授だからと言ってジェイソンがいろんな機械を運んできてしかも非常に気に入らないエヴァンという若僧が「取ったもん勝ち」とでも言わんばっかりにいろんなものを実験台の上に乗せて、ただそれだけのせるだけ。ノーリスペクトだ。

あんまりひどいからそこはケイレブのベンチだからものを置くなと言ってやったら今度はギリギリのところに広げて帰るというまるで根性の悪さ。仕方ないから形式上のPIのリッチーに文句を言って助けてもらおうとしたら今度はジェイソンの研究室と俺のグループは一緒に考えてるとか言い出す始末。

もうそろそろ仕事を初めて1年になるのに「あんたはそこの隅っこの方でやってて」みたいなことばっかり言われてて、そのうち2人テクニシャンが入って3人で座るとこもなくって実験だって場所がないありさま。新しい部屋がもらえるからということで3人でこれでやっとまともな仕事ができると思ってたらこのザマ。

ついにはこっちも頭にきて、しまいにはジェイソンにあんたんとこの大学院生が入ってきて余計なものをおいていったらぶん殴って追い返してやると言って憤慨した。

でもそれからちょっと風向きが変わってその後色々あったものの結局3人は一個の研究室に収まってジェイソンの新しい世界で一番大きいと言って自慢してた機械はもともと俺が座っていたちっこい研究室のスペースに他のものと一緒に突っ込むことにした。

来週全部の「物」を動かして俺達3人の研究室は一応独立できる形になる。俺はジェイソンの秘書みたいなネーチャンとオフィスを分けるということで研究室から離れたとこに机をもらうことになった。

そんなわけで5月から新しい研究室がもらえるはずだったが10月にやっと新しい研究室ができそう、というよりやっと死守した感じ。

研究室は今ん所3人には結構贅沢なスペースで機械もケチなリッチーも共同研究してる会社から出てるお金だからということで2,3個新しいものも買った。胸に新素材研究所の名前の入った白衣を一人2着ずつ揃えてもらうことになった。2着というのも洗濯してるときにもう一個いるから2着にしてくれといったからしてくれたんで。もう目を見張って周りを見てないとただいいように振り回されておミソみたいに扱われてしまう。

 

2人いる研究室員もリーダーシップがなかなか取りにくい。最近は毎朝みんなで集まって昨日は何やった、今日は何やると言ってノートブックにサインをし合うという朝礼みたいなことをやってる。これは結構名案でみんなで誰が何をしてるかわかるしちょっとしたディスカッションもできる。テクニシャンだから期待しちゃいけないんだけどやっぱり焦ってるから仕事してくれないとすぐ頭にきちゃう。だからオフィスが研究室とは違うとこにできるのはありがたい。

 

どうも結局のところ「信じ方」が違うみたい。

 

工場の方にアマンダが来たのが3月だったけどそのころまでは本当に数人しかいなくって、当時からいる連中はこれから俺達が世界を変えるような新素材を作るんだという意気込みと本当にできると信じ込んでるところがある。今日もジェイソンが来て、このプロジェクトが軌道に乗ったら誰か本に書いて出版するんだ、そんなにすごいんだって言って興奮してた。本はどうか知らないけどCNNぐらいは取材に来るだろう。

 

でもその大本になる「種」を作らなきゃいけないのが俺達3人の仕事なんだけど後の二人は信じてない。これは上に立つものとして非常にやりにくいんだな。だから反対にジェイソンはリッチーやライアンとかといると本当にみんなでやるぞ~という気が出るけど、そのへんの違いは本当にむずがゆい。

 

そういえばサルサの方もちょっと熱は冷めたもののレヴォリューションの方はフルスウィング。2,3回の練習でもうすでにパーフォーマンスをやるという去年に比べてレベルが一段上がってる。

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Before the performance at Max Canada

 

レヴォリューションの外では何故か昔に踊ってたキューバ風なスタイルが急に戻ってきた。それでもっと色んな人とアセンズでは踊れるようになった。

長くなるけど、まあここまで読んでる人もいないと思うけど。アセンズに来たときはまだキューバっぽく踊ってたんだけど「お前のはLAスタイルだ」とか「LAスタイルは踊れないからあっち行ってろ」、みたいなことを言われて、言われれば言われるほどだんだんソッチの方の技ばっかりやるようになって終いにはオン2で踊ってやるなんて思い出した。

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急にキューバ風ダンスが戻ってきた日

そうすると不思議なのが、アセンズのサルサマフィアの方は今度はおれがひとりで「LA スタイル」(説明すると、いまどきLAスタイルなんていう人はいなくって、ただオン1とかサルサと言うんだけどそれさえもこの辺では知られていない。)をやってるんだけどそれが何故か気に入られて無いようでマフィアの方はキューバキューバとだんだんはげしくキューバの(とはいってもルエダだけなんだけど)方に走って極キューバ系マフィアになってきてる。

実を言えば自分だって昔はキューバがやっぱりサルサの元祖的なふうに思っててそれでキューバ系の踊りが好きだったし、かなり入れ込んでた。でもやればやるほど民族的なものは壁が高いことに気がついてこりゃ無理だなーっと思ったよ。これは自分が剣道とか居合とかやってたからわかるんだけど、やっぱり血がある。魂がある。技では強くなるけどその奥のものがちょっと違う。これは、ダンスでもおんなじだなーって気がついた。それからやっぱりもともと魂のないニューヨークとかで流行ってるオン2のおどりがいいんじゃないかと思った。昔フランシスが言ってた「全然サルサっぽくない踊り」そのほうが気楽でいいと思う。キューバのダンスはもともとアフリカの民族とか宗教的なものにある動きを使ってて、向こうから来た人がなにげにやった動きでもなかなかまねできない。それは日本人のお辞儀を外国の人が真似てもわざとらしくしか見えなかったり場違いだったりそんなもんだと思う。だから極キューバ系マフィアの方は勝手にやっててほしい。はっきり言って俺はそれは "been there, done that" なのだ。

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